証券口座・始め方

ネット証券3社比較|口座開設の始め方

初めて証券口座を作る人向けに、ネット証券3社を手数料、NISA、1株取引、投信積立、ポイント、アプリで比べ、口座開設と特定口座の選び方まで整理します。

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証券口座は、株や投資信託を買ったときに、お金と商品を管理するための「入れ物」です。銀行口座がお金の出入りを記録する場所なら、証券口座は投資に使うお金や保有商品を管理する場所、と考えると分かりやすいでしょう。

今回比較するSBI証券、楽天証券、マネックス証券は、口座を作る費用と通常の口座管理料がかかりません。ただし、取引、入出金、書類発行、有料ツールなどには条件に応じた費用が発生する場合があります。維持条件を含む最新情報は、申込前に各社公式サイトで確認してください。

口座を作ったからといって、すぐに何かを買う必要はありません。比較や初期設定を終えたあと、入金せずに考える時間を取ることもできます。「作った=買わなければならない」ではないと知っておくと、落ち着いて選べます。

結論:目的から選ぶ3社

最初の候補は、次の3社です。会社名の知名度だけで決めるのではなく、自分が使う予定の機能から絞ります。

目的候補選ぶ理由申込前の確認点
これから始める人SBI証券国内株、米国株、投資信託、NISA、1株取引、各種アプリをまとめて検討できる国内株の手数料無料には電子交付などの条件がある
国内株の手数料を優先する人楽天証券ゼロコースでは国内株の約定代金にかかわらず取引手数料が0円ゼロコースはSORとRクロスの利用同意が必要
投信積立でdポイントを使いたい人マネックス証券原則100円から投信積立ができ、dポイントを積立代金に使える通常の国内株取引は有料の手数料体系がある

3社とも一長一短があります。総合的な品ぞろえを優先するならSBI証券、楽天ポイントとのつながりやiSPEEDを重視するなら楽天証券、dポイントと投信積立の組み合わせを重視するならマネックス証券、という分け方が出発点になります。

SBI証券の公式サイトを見る

楽天証券の公式サイトを見る

マネックス証券の公式サイトを見る

比較する前に、手数料の「0円」の範囲を見る

ネット証券の手数料表示では、同じ「0円」でも対象が異なります。国内株だけなのか、NISA内の取引だけなのか、インターネット注文だけなのか、設定条件があるのかを分けて読みましょう。

また、株の売買手数料が0円でも、外国株の為替コスト、投資信託の信託報酬、ETFの保有中にかかる費用などが別に存在する場合があります。入口の数字だけでなく、自分が利用する商品ページの費用欄まで確認することが大切です。

以下は2026-07-17 時点で各社公式サイトを確認した内容です。

証券会社国内株の手数料体系単元未満株投信積立・ポイント
SBI証券インターネットコースで所定の電子交付設定をすると、国内株の現物・信用取引が0円S株は1株から。インターネット注文の買付・売却手数料は0円原則100円から。投信保有やクレカ積立などのポイントサービスがある
楽天証券ゼロコースは国内株の現物・信用取引が0円。SORとRクロスの利用同意が必要かぶミニは1株から。取引手数料は0円だが、リアルタイム取引は0.22%のスプレッドがある100円以上1円単位。楽天ポイントを投信の買付や積立に使える
マネックス証券通常口座は1注文ごと、または1日定額の有料体系。NISA内の国内株取引は0円ワン株は1株から。通常口座は買付0円、売却0.55%・最低52円。NISAは売買0円原則100円以上1円単位。dポイントを投信積立に使える

「スプレッド」は、サービス提供側が示す取引価格に含まれる価格差です。手数料という名前でなくても取引コストになるため、単元未満株では注文方法まで確認します。

取扱商品とアプリを比較する

3社とも、国内株、米国株、投資信託を扱い、NISAに対応しています。ただし、「対応」と「自分が使いたい商品を扱っている」は同じではありません。NISAの対象商品、米国株の取扱銘柄、投信積立の対象ファンドは会社ごとに異なるため、商品名が決まっている人は申込前に公式の商品検索で確認してください。

証券会社主な取扱商品NISAアプリ・ツール
SBI証券国内株・米国株・投資信託対応国内株の「SBI証券 株アプリ」、米国株アプリ、投信積立向けアプリ、PCツールあり
楽天証券国内株・米国株・投資信託対応iSPEEDで国内株・米国株に対応。PC向けマーケットスピードもある
マネックス証券国内株・米国株・投資信託対応総合アプリで株式・投資信託などを扱える。米国株向けアプリもある

アプリは「あるか」だけでなく、使いたい商品を同じアプリで扱えるか、資産残高を見やすいか、注文の確認や取消がしやすいかを見ます。口座開設前でも公式の画面説明や操作ガイドは読めます。毎日使う可能性があるため、手数料と同じくらい確認する価値があります。

3社の特徴をもう少し詳しく見る

SBI証券:商品と機能を広く持っておきたい人

SBI証券の国内株は、「ゼロ革命」の条件を満たすと現物・信用取引の売買手数料が0円です。対象となるには、インターネットコースまたはインターネットコース(プランC)を利用し、所定の取引報告書などを電子交付に設定する必要があります。電話注文や一部の例外取引は同じ扱いではありません。

単元未満株のS株は1株から注文でき、インターネット取引の買付・売却手数料は0円です。東京証券取引所の内国株は通常100株単位で取引されるため、1株取引は必要資金を小さく分けたいときの選択肢になります。ただし、注文できる時間、約定する回数、対象銘柄などは通常の100株単位の取引と異なります。

投信積立は原則100円から利用できます。国内株、米国株、投資信託でアプリが分かれることがあるため、ひとつの画面だけで全部を済ませたい人は、現在のアプリ構成を公式で確認しましょう。

向かない可能性があるのは、電子交付の条件を理解せず、国内株手数料が自動的にすべて0円になると思っている人です。無料の適用状況を口座内で確認する手間を含めて選びます。

楽天証券:楽天ポイントと国内株の使い勝手を重視する人

楽天証券のゼロコースは、国内株の現物・信用取引の手数料が約定代金にかかわらず0円です。一方で、SORとRクロスの利用同意が条件です。SORは、複数の市場や取引先から、あらかじめ定めたルールで注文先を選ぶ仕組みです。仕組みと最良執行方針を読んでから設定します。

かぶミニでは1株から取引できます。取引手数料は0円ですが、リアルタイム取引には0.22%のスプレッドがあります。寄付取引ではスプレッドが無料と案内されています。単元未満株を使う人は、「手数料0円」だけで比較せず、注文方式とスプレッドを一緒に見てください。

投信積立は100円以上1円単位で、楽天ポイントを買付代金の一部または全部に使えます。iSPEEDは国内株と米国株の取引に対応しています。楽天のサービスを日常的に利用している人は管理をまとめやすい一方、ポイント制度や付与条件は変更されることがあるため、申込時点の条件を確認します。

向かない可能性があるのは、SORやRクロスの利用条件に同意せずに国内株のゼロコースを使いたい人です。その場合は別の手数料コースも含めて比べる必要があります。

マネックス証券:投信積立とdポイントを組み合わせたい人

マネックス証券の通常の国内株取引には、1注文ごとに計算するコースと、1日の約定金額で計算する定額コースがあります。公式の手数料一覧では、現物取引の取引毎手数料は55円から、一日定額手数料は約定金額100万円以下で550円と案内されています。NISA口座内の国内株、米国株、投資信託などの売買手数料は0円ですが、米国株の現地費用、為替コスト、投信の保有費用などは別に確認が必要です。

単元未満株のワン株は1株から利用できます。通常の特定口座・一般口座では買付手数料が0円、売却は約定代金の0.55%で最低52円です。NISA口座では買付・売却とも0円です。少額で始める場合ほど、最低手数料が取引額に対してどの程度になるかを確認しましょう。

投信積立は原則100円以上1円単位です。dポイントは1ポイント1円換算で投信積立の買付代金に使えますが、対象投信、対象口座、上限などの条件があります。総合アプリでは資産確認、入出金、株式や投資信託の取引ができます。

向かない可能性があるのは、NISA以外でも国内株の通常取引手数料を最優先したい人です。投信積立やポイント連携に魅力を感じるかまで含めて判断します。

新NISAでは「どの証券会社を器にするか」が重要

金融庁によると、NISA口座は1人につき1口座だけ開設できます。金融機関は年単位で変更できますが、気軽に同じ年のNISA口座を3社へ分けることはできません。

そのため、証券会社選びは、そのままNISAの器選びになります。比較するときは次の3点を先に見ます。

  1. つみたて投資枠で利用したい投資信託を扱っているか
  2. 成長投資枠で利用したい商品区分に対応しているか
  3. 積立方法、ポイント、アプリ、入出金の仕組みを続けやすいか

ここで確認するのは、あくまで口座と商品の取扱範囲です。この記事では、どの商品を買うか、どの時期に売買するかには踏み込みません。NISAの制度自体も改正される可能性があるため、金融庁のNISA特設サイトで最新情報を確認してください。

口座開設の手順

オンライン口座開設は、おおむね次の流れです。画面名や必要書類の組み合わせは各社で異なります。

1. 本人確認書類とマイナンバーを用意する

基本になるのはマイナンバーカードです。会社や申込方法によっては、運転免許証とマイナンバー通知カードなどの組み合わせも案内されています。氏名や住所が現在の情報と一致しているかを確認してから撮影します。

書類の有効期限切れ、住所の不一致、画像の反射やぼやけは、再提出につながります。早さを優先するなら、申込前に公式の必要書類一覧を確認するほうが確実です。

2. メール登録と本人情報の入力をする

氏名、住所、生年月日、職業、勤務先、金融機関、投資目的などを入力します。入力内容は本人確認書類と合わせます。暗証番号やログイン情報は使い回さず、公式サイトや公式アプリから手続きしてください。

この段階でNISA口座を同時に申し込める会社があります。すでに別の金融機関でNISA口座を持っている場合は、重複申込にならないよう現在の金融機関を確認します。

3. 特定口座の「源泉徴収あり・なし」を選ぶ

ここは初めての人がつまずきやすい項目です。

  • 特定口座(源泉徴収あり):証券会社が口座内の利益と税額を計算し、税金を差し引きます。その口座の利益は原則として確定申告が不要です。税務手続きをできるだけ少なくしたい人には分かりやすい選択です。
  • 特定口座(源泉徴収なし):証券会社が年間取引報告書を作りますが、利益が生じて申告が必要な場合は、自分で確定申告と納税を行います。
  • 一般口座:取得額や利益の計算を自分で行います。明確な理由がない初心者には管理の負担が大きくなりやすい口座です。

源泉徴収ありでも、他社口座との損益通算や損失の繰越控除を利用する場合などは確定申告が必要になります。反対に、源泉徴収なしでも、所得状況によって所得税の申告要否が変わる場合があります。税務の判断に迷う場合は、国税庁の株式・配当・利子と税を確認し、税務署や税理士へ相談してください。

4. 本人確認を送り、審査結果を待つ

公式案内では、SBI証券のネット口座開設は取引まで最短翌営業日、楽天証券のスマホ本人確認は最短翌営業日、マネックス証券の証券総合取引口座は申込翌営業日の開設完了が最短とされています。

ただし、これは不備がなく審査が順調に進んだ場合の最短案内です。申込内容、提出方法、混雑、郵送、審査状況によって日数は延びます。NISA口座は証券総合口座とは別の確認があり、さらに時間がかかる場合があります。急いで投資する理由を作らず、開設完了後に設定を一つずつ確認しましょう。

5. 初期設定と入出金先を確認する

ログイン後は、取引暗証番号、出金先銀行、手数料コース、電子交付、NISAの状態、特定口座の区分を確認します。国内株の手数料無料に設定条件がある会社では、適用状況も確認します。

入金は口座開設と別の操作です。使う予定が決まっていなければ、入金も取引も後日にできます。フィッシング対策として、メールや広告のリンクからではなく、登録した公式アプリやブックマークからログインする習慣を付けます。

運営者の場合:口座を作って、その後どうなったか

この記事の運営者も、証券口座を持っています。先に開設したのはSBI証券で、その後、楽天証券の口座も持つようになりました。

開設のとき、手が止まった場所は二つありました。ひとつは本人確認です。免許証の写真と顔の撮影で、思ったよりもたつきました。もうひとつは「特定口座」の選択です。手順3で「初めての人がつまずきやすい項目です」と書きましたが、あれは一般論であると同時に、運営者自身がその画面で悩んだところでもあります。ここで手が止まるのは、特別なことではありません。

そして、正直に書くと、二つの口座は今、ほとんど使っていません。

その事実をぼかさずに書くのは、口座を作ることと、投資を続けることが、別のことだからです。冒頭で「作った=買わなければならない、ではない」と書きました。運営者の口座は、まさにその状態にあります。口座開設は投資の準備であって、それ自体がゴールではない——このことは、使っていない口座を二つ持つ運営者が、いちばんよく知っています。

手数料だけで決めないための確認表

口座開設の直前に、次の順番で確認すると比較しやすくなります。

  1. 使いたい商品:国内株、米国株、投資信託、NISAのどれを使う予定か
  2. 取引単位:100株単位か、1株からの単元未満株を使うか
  3. 総コスト:売買手数料だけでなく、スプレッド、為替、信託報酬なども確認したか
  4. 積立条件:最低金額、引落方法、ポイント利用、対象商品を確認したか
  5. 操作環境:スマホアプリやPCツールで必要な操作ができるか
  6. 税務管理:特定口座の源泉徴収あり・なしを理解したか
  7. 口座数:すでに持っている口座と役割が重複しないか

東証の内国株は通常100株単位です。単元未満株は1株から買える入口になりますが、取引時間、注文方法、スプレッド、手数料、議決権や株主優待の扱いが通常取引と異なる場合があります。仕組みの基礎は日本取引所グループの売買単位でも確認できます。

口座を作る前に知っておきたいデメリット

生活費や近く使うお金は入れない

株や投資信託は価格が下がり、投じた金額を下回ることがあります。家賃、食費、税金、教育費、近く予定している大きな支出に使うお金は、投資資金と分けて管理します。口座が無料で作れても、そこで扱う商品まで安全になるわけではありません。

手数料の安さだけでは、必要な商品が見つからないことがある

国内株の手数料が低くても、目的の投資信託、米国株、積立方法、ポイント、アプリが合わない場合があります。商品を決めていない段階でも、将来使う可能性のある「商品区分」があるかまでは確認できます。

口座を増やしすぎると管理が難しくなる

口座が増えると、ログイン情報、残高、税務書類、登録住所、二要素認証、NISAの金融機関を別々に管理することになります。ポイントのためだけに増やし、使わない口座が残ると、かえって全体を把握しにくくなります。

最初は主に使う1社を決め、別の会社を追加する場合は「米国株用」「投信積立用」など役割を一言で説明できるかを基準にすると整理しやすくなります。

迷ったときの決め方

まだ具体的な商品を決めておらず、国内株・米国株・投資信託を幅広く確認したいなら、SBI証券を最初の比較軸にできます。楽天ポイントを使い、国内株と米国株をiSPEEDで扱いたいなら楽天証券を比べます。dポイントを投信積立に使いたいならマネックス証券が候補です。

どれを選ぶ場合も、口座開設は取引の準備にすぎません。申込画面で条件を読み、開設後に手数料コース、電子交付、NISA、特定口座を確認してから次へ進みます。申し込まない、開設後に取引を保留する、公式情報を読み直す、という選択も残しておきましょう。

公式情報

手数料・条件・制度は 2026-07-17 時点の各社公式情報調べ。内容は改定されることがあるため、最新は各証券会社、金融庁、日本取引所グループ、国税庁の公式情報でご確認ください。