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本記事はサービス比較に関する見解であり、投資助言ではありません。株式には価格変動や発行会社の信用悪化による損失リスクがあります。最終判断は各社の最新情報、取引ルール、契約締結前交付書面を確認してご自身で行ってください。
S株とかぶミニを徹底比較
1株から日本株を買うとき、多くの人が最後に迷うのが、SBI証券の「S株」と楽天証券の「かぶミニ」のどちらにするかです。どちらも1株から買え、インターネット取引の売買手数料は0円です。しかし、約定の仕組みと実際のコストはかなり違います。
S株はスプレッドがなく、東証上場銘柄を広く扱う一方、約定は前場始値、後場始値、後場引けの1日3回です。かぶミニは、寄付取引に加え、一部銘柄を取引時間中に指値または成行で売買できます。ただし、リアルタイム取引の約定単価には0.22%のスプレッドが含まれます。
つまり、比較の中心は「SBIと楽天のどちらが有名か」ではなく、「約定を待ってコストを抑えるか、コストを負担して日中の価格を選ぶか」です。単元未満株全体の仕組みやマネックス証券を含む比較は、親記事の単元未満株の始め方とネット証券比較で確認できます。
S株とかぶミニの比較表
手数料・条件は2026年7月20日時点です。サービス内容と対象銘柄は変更される可能性があります。
| 比較項目 | SBI証券「S株」 | 楽天証券「かぶミニ」 |
|---|---|---|
| 売買単位 | 1株 | 1株 |
| 売買手数料 | インターネットは買付・売却0円 | 買付・売却0円 |
| スプレッド | なし | 寄付取引なし、リアルタイム取引0.22% |
| 約定方式 | 前場始値、後場始値、後場引け | 前場寄付、または対象銘柄のリアルタイム取引 |
| 指値 | 不可 | リアルタイム取引で可能 |
| 取扱範囲 | 東証プライム・スタンダード・グロースは買付・売却。地方市場は売却のみ | 東証上場銘柄から同社選定。寄付2,116銘柄、リアルタイム786銘柄 |
| 積立 | 日株積立。1株または1,000円以上500円単位 | かぶツミ。1株または1,000円以上1円単位 |
| 積立頻度 | 毎週、毎月、月内複数日 | 毎週、毎月 |
| 利用できるポイント | Vポイント、Pontaポイント | 楽天ポイント |
| NISA | 成長投資枠の対象銘柄で利用可 | 成長投資枠の対象銘柄で利用可 |
SBI証券は、S株の買付・売却手数料を無料、スプレッドなしと明記しています。東証上場銘柄は買付と売却が可能です。SBI証券「S株のサービス概要」
楽天証券は、かぶミニの売買手数料を無料としています。寄付取引はスプレッドなし、リアルタイム取引は0.22%です。楽天証券「かぶミニの手数料」
コスト比較:0円表示の中身が違う
S株は売買手数料もスプレッドも0円
S株はインターネットでの買付・売却が0円で、スプレッドもありません。1株を何度かに分けて買い、将来1株ずつ売る場合でも、注文回数ごとの最低手数料は発生しません。
ただし、無料だから市場の現在値でいつでも買えるわけではありません。S株の約定価格は、注文締切後の前場始値、後場始値、後場引けです。注文時に表示されていた株価と約定価格が異なる「価格変動リスク」は残ります。手数料がないことと、希望価格で売買できることは別です。
電話注文、IFAコース、買取請求などには別の手数料が適用される場合があります。ここでの0円は、通常のインターネットによるS株の買付・売却を指します。
かぶミニは寄付取引とリアルタイム取引でコストが違う
かぶミニも売買手数料は0円ですが、リアルタイム取引の約定単価には0.22%のスプレッドが含まれます。成行買いでは東証の売り気配へ0.22%を加え、成行売りでは買い気配から0.22%を差し引く仕組みです。指値注文にもスプレッドが含まれます。楽天証券「かぶミニ取引ルール」
概算を比べると、取引金額1万円で片道約22円、10万円で片道約220円相当です。買いと売りの両方でリアルタイム取引を使えば、単純計算では往復約0.44%になります。実際には株価の変動、呼値、1円未満の切り上げ・切り捨てがあるため、ぴったりこの金額になるとは限りません。
前場寄付で約定する寄付取引にはスプレッドがありません。急いで価格を決める必要がない場合は寄付取引、日中の値動きを見て売買したい場合はリアルタイム取引と、同じ口座内で使い分けられます。
約定タイミング:待てるか、今決めたいか
S株は1日3回
東証上場銘柄のS株は、注文時間によって次の価格で約定します。
| 注文受付時間 | 原則の約定価格 |
|---|---|
| 0:00〜7:00 | 当日前場始値 |
| 7:00〜10:30 | 当日後場始値 |
| 10:30〜14:00 | 当日後場引け |
| 14:00〜24:00 | 翌営業日前場始値 |
前場で値が付かなければ後場始値へ回り、後場でも成立しなければ失効する場合があります。大引けでストップ配分となった場合も、単元未満株へ配分されず約定しません。SBI証券「S株のサービス概要」
会社員が夜に注文して翌朝の始値で買う、毎月決まった日に買う、といった使い方には分かりやすいでしょう。反対に、決算発表後の急な値動きを見て「この価格以下なら買う」と判断したい人には不向きです。
かぶミニは寄付とリアルタイムを選べる
寄付取引は前場寄付で成立し、結果は午前9時05分以降から9時30分頃までに反映されます。午前9時30分までに東証で値段が付かない場合などは失効します。
リアルタイム取引は、前場9時から11時30分、後場12時30分から15時25分に利用できます。成行注文が受付後約1分以内に約定しない場合は失効することがあります。指値注文も、市場急変やマーケットメイク停止により約定しない場合があります。楽天証券「かぶミニ取引ルール」
「リアルタイム」といっても、東証の板へ直接注文を出す単元株取引と同一ではありません。かぶミニは楽天証券が相手方となる市場外の相対取引です。指値は指定価格より不利にはならないルールですが、市場価格との乖離や失効の可能性があります。
取扱銘柄:広さはS株、リアルタイム対象は要確認
S株は、東証プライム、スタンダード、グロース上場銘柄を買付・売却できます。名証、福証、札証の上場銘柄は原則として売却のみです。新規上場株式は、初値成立日の翌日午前3時頃からインターネット注文を受け付けます。銘柄ごとの可否は、個別銘柄画面の取扱情報で確認します。
かぶミニは、東証上場銘柄のうち楽天証券が選定した銘柄が対象です。2026年5月時点の公式PDFでは、寄付取引2,116銘柄、リアルタイム取引786銘柄でした。楽天証券「かぶミニ取扱銘柄一覧」 楽天グループ株、取引単位が1口のETF・REITなど非取扱銘柄もあります。楽天証券「かぶミニ取扱銘柄」
公開投稿の傾向では、単元未満株全般について「希望銘柄が対象外だった」という不満が見られます。とくに、リアルタイムで買えると思って口座を選んだ後、目的の銘柄が寄付取引のみだったというずれは避けたいところです。口座開設前に、銘柄名だけでなく希望する注文方法まで確認してください。
積立:設定単位と頻度を比べる
SBI証券の日株積立
日株積立は、株数指定なら1株以上1株単位、金額指定なら1,000円以上500円単位です。毎週の曜日指定、毎月、月内の複数日から選べ、複数日は最大5日、年2回のボーナス月も設定できます。VポイントとPontaポイントの利用に対応します。SBI証券「日株積立サービス概要」
金額指定で株価が設定額を上回ると、最低1株を買えず注文は成立しません。毎月1,000円に設定しても、株価が1,200円なら買えない点に注意が必要です。
楽天証券のかぶツミ
かぶツミは、金額指定が1,000円以上1円単位、株数指定が1株以上1株単位です。単元未満株部分は寄付取引で発注されるため、リアルタイム取引の0.22%スプレッドはかかりません。対象は国内株式の現物取引で買える銘柄と、かぶミニの寄付取引対象銘柄です。楽天証券「かぶツミ取引ルール」
細かい金額設定では楽天証券が柔軟です。SBI証券は500円刻み、楽天証券は1円刻みなので、「毎月3,333円」のように予算を固定したい場合はかぶツミが合わせやすいでしょう。一方、月内の複数日に分けたい場合はSBI証券の日株積立が候補です。
NISAで使う時の違い
両サービスとも、対象銘柄ならNISAの成長投資枠で単元未満株を買えます。つみたて投資枠で個別株は買えません。NISAの損失は、課税口座の利益との損益通算や翌年以降への繰越控除ができない点にも注意が必要です。
少額だからNISA枠を使うべきとは限りません。長期保有する銘柄か、損失が出た場合の税務上の扱いをどう考えるか、配当の受取方式が非課税条件に合っているかを確認してください。NISA制度の詳細は金融庁や各社の最新案内を参照し、税務判断は必要に応じて専門家へ相談してください。
生の声を使い勝手へ置き換える
単元未満株の公開投稿では、「少額分散に便利」「初心者でも始めやすい」という声がある一方、「約定が遅く感じる」「注文時の価格で買えない」「リアルタイム対応銘柄が少ない」と感じる人も一定数います。
S株への不満になりやすいのは、1日3回の約定です。これは不具合ではなく、コストを抑えたサービス設計の一部です。数分単位の価格を気にするなら、S株の無料という利点より、かぶミニのリアルタイム性が重要になります。
かぶミニへの不満になりやすいのは、リアルタイム対象銘柄の限定と0.22%のスプレッドです。日中に注文できても、短期売買を繰り返せばスプレッド負担が積み重なります。価格を見ながら長期保有の最初の1株を買う用途と、頻繁な回転売買は分けて考える必要があります。
目的別の選び方
S株が合いやすい人
- 東証上場銘柄を広く選びたい
- 売買手数料とスプレッドを抑えたい
- 前場始値、後場始値、後場引けでの約定を受け入れられる
- 毎週または月内複数日の積立をしたい
- VポイントやPontaポイントを使いたい
かぶミニが合いやすい人
- 対象銘柄を日中に指値で売買したい
- 0.22%のスプレッドを理解したうえでリアルタイム性を優先する
- 寄付取引とリアルタイム取引を使い分けたい
- 積立額を1円単位で設定したい
- 楽天ポイントを国内株の買付に使いたい
迷った時の判断順
最初に買いたい銘柄を1〜3社に絞り、両社で取扱いを確認します。次に「注文時の価格を指定したいか」を決めます。必要ならかぶミニ、不要ならS株を軸に比較します。最後に積立頻度、使いたいポイント、すでに利用している銀行や証券口座を確認します。
この順番なら、ポイント還元や画面の好みだけで選び、目的の銘柄・注文方法を使えないという失敗を減らせます。
まとめ
S株とかぶミニは、どちらも1株から買えて売買手数料0円ですが、同じサービスではありません。S株はスプレッドなし、東証上場銘柄を広く扱い、1日3回の所定価格で約定します。かぶミニは寄付取引に加え、一部銘柄でリアルタイムの成行・指値を使えますが、リアルタイム取引には0.22%のスプレッドがあります。
長期積立で約定を急がず、コストと取扱範囲を優先するならS株が比較しやすい選択肢です。日中の価格を確認して発注したいなら、目的銘柄が対応していることを確認したうえで、かぶミニが候補になります。
どちらを選んでも、少額投資であることを理由に値下がりの可能性が消えるわけではありません。会社の業績、財務、株価水準を確認し、生活に必要な資金を投じず、1銘柄へ偏りすぎない範囲から始めてください。本記事は両サービスの公式情報を整理した見解であり、投資助言ではありません。最終判断はご自身で行ってください。
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