結論:この4社は「定番の代わり」ではなく、「目的が合う人の近道」
先に結論を置きます。1日の国内株取引を合計50万円以内に収めたい人は松井証券、Pontaポイントを投資に回したい人は三菱UFJ eスマート証券、国内株と米国株を一つのアプリで扱いたい人はDMM 株、国内株の手数料条件をとにかく単純にしたい人はGMOクリック証券——この4行のどれかに自分が当てはまるなら、この記事を読む価値があります。どれにも当てはまらないなら、定番のSBI証券・楽天証券の比較記事から読むほうが早いでしょう。
正直に書きます。ネット証券の比較でSBI証券と楽天証券が定番として挙がるのには、理由があります。扱う商品の幅が広く、利用者が多いぶん解説も見つけやすい。この2社が最初の候補になること自体は、間違いではありません。当サイトも、その事実を隠して「実はこの4社のほうが上」と言うつもりはありません。
それでも全員が同じ証券会社を選ぶ必要はない、というのがこの記事の立場です。証券会社選びは「一番人気の店を選ぶ」ことではなく、「自分の買い物に合ったレジの仕組みを選ぶ」ことに近いからです。1日に何度か少額で売買する人と、月に1回まとめて買う人とでは、得になる料金体系が違います。ポイントをどの経済圏で貯めているかでも、実質の使い勝手は変わります。定番2社がすべての目的で最適とは限らない——その隙間を、この4社は具体的な数字で埋めています。
この記事では「定番より上か下か」の順位付けはしません。代わりに、何をする人ならこの4社の違いが効くのかを、各社公式サイトの数字だけで確認します。なお、比較するのは主にインターネット経由の国内株現物取引です。電話注文、信用取引、外国株、投資信託の保有費用などは別の条件が適用される場合があります。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
4社の違いを先に一覧で
| 証券会社 | 数字で見える特徴 | 向く可能性がある人 | 先に確認したい弱点・条件 |
|---|---|---|---|
| 松井証券 | 26歳以上は現物・信用を合わせた1日の約定代金合計50万円まで0円(2026年7月時点) | 1日に何度か少額取引をしても、日次の合計で費用を把握したい人 | 50万円を超えると100万円まで税込1,100円(2026年7月時点)。1注文ごとの料金ではない |
| 三菱UFJ eスマート証券 | SOR注文なら国内現物株・信用取引の手数料0円(2026年7月時点)。プチ株も0円(2026年7月時点) | Pontaポイントを投資信託やプチ株に使いたい人 | SOR注文が条件。地方市場や電話注文などは無料対象外の場合がある |
| DMM 株 | 国内現物株は1約定55円から(2026年7月時点)。手数料の1%を株ポイントで付与(2026年7月時点) | 国内株と米国株を同じサービスで取引し、1注文ごとの料金を読みたい人 | 国内現物株は無条件無料ではない。投資信託を中心に選びたい人とは目的が合いにくい |
| GMOクリック証券 | 電話注文を除く国内株の取引手数料は約定代金に関係なく0円(2026年7月時点) | 国内株の手数料条件をできるだけ単純にしたい人 | 単元未満株の通常の買付サービスを重視する人は、対応範囲を先に確認したい |
表を眺めて気づいてほしいのは、同じ「無料」という言葉が4社で別の意味を持っていることです。松井証券は1日の合計額に無料枠があり、三菱UFJ eスマート証券は注文方法などに条件があり、GMOクリック証券は電話注文を除く国内株を約定代金に関係なく無料と案内しています(いずれも2026年7月時点)。DMM 株は国内現物株を有料にしている代わりに、1注文ごとの段階制で料金が読みやすい。「無料の会社」と「有料の会社」があるのではなく、「どこまでを無料にするか」の線の引き方が違うのです。
言葉の整理もしておきます。「約定代金」は、注文を出した金額ではなく、実際に売買が成立した金額です。「1日定額」は、スーパーの会計1回ごとではなく、その日のレシートを全部まとめて料金帯を決める仕組み。「1約定ごと」は、売買が成立するたびに料金を判定する仕組みです。この2つを同じ表面金額で比べると、比較を間違えます。
松井証券:1日の少額取引をまとめて考えたい人
松井証券の国内株には「ボックスレート」があります。現物取引と信用取引の1日の約定代金を合計し、26歳以上なら50万円まで手数料0円、50万円超100万円までは税込1,100円です(2026年7月時点)。100万円を超えると、100万円増えるごとに税込1,100円が加算され、上限は税込11万円です(2026年7月時点)。25歳以下は、約定代金にかかわらずボックスレート手数料が無料と案内されています(2026年7月時点)。
具体的に考えます。午前に10万円、午後に15万円の国内株取引が成立した場合、1日の合計は25万円。26歳以上でも無料枠の内側です(2026年7月時点)。一方、40万円の売買を2回行えば合計80万円になるため、100万円までの料金帯に入ります。1回ずつの金額ではなく、現物と信用を合わせた1日の合計で判定される——ここを取り違えると、想定と違う請求に驚くことになります。
松井証券が向く可能性がある人
国内株を一度に大きく取引するより、1日の合計50万円以内で試したい人には分かりやすい体系です(2026年7月時点)。売買回数より合計約定代金で費用を管理したい人にも合います。「今日は合計いくら成立したか」さえ把握していれば、料金帯を判断できるからです。
日本株、米国株、投資信託、NISA、iDeCoなどを同じ会社で検討できる点も特徴です。ただし、商品ごとに手数料体系は別です。国内株の無料枠が、米国株の為替費用や投資信託の信託報酬まで消すわけではありません。
松井証券が向かない可能性がある人
1日の約定代金が50万円を頻繁に超える26歳以上の人は、超過後の料金を他社と比べる必要があります(2026年7月時点)。「最初の1回が50万円以下だから無料」と考えると、同じ日の追加取引で料金帯が変わる可能性があります。
また、単元未満株は通常の100株単位とは取引方法や手数料が異なります。1株ずつ自由に買うことを口座選びの中心にする人は、ボックスレートだけで決めず、単元未満株の対象銘柄、注文方法、買付対応を確認してください。
三菱UFJ eスマート証券:Pontaポイントとの接続が明確
三菱UFJ eスマート証券は、旧社名がauカブコム証券です。古い解説や検索結果では旧社名のまま残っていることが多いので、「別の会社の話だろうか」と迷ったら、まず社名変更を疑ってください。
国内株の現物・信用取引は、SOR注文を選択すると手数料0円です(2026年7月時点)。SORは、取引所だけでなく複数の売買先を確認し、定められた方針で注文先を選ぶ仕組みです。「レジが複数あるとき、条件を見て注文の行き先を選ぶ仕組み」と考えると入口をつかみやすいでしょう。
ただし無料には範囲があります。名古屋・福岡・札幌などの地方市場は対象外で、電話注文や強制返済には有料となる場合があります。プチ株は1株単位で売買するサービスで、取引と積立の手数料が0円、スプレッドによるコストも発生しないと案内されています(2026年7月時点)。
ポイント面では、Pontaポイントを投資信託とプチ株の購入に使えます。100円以上、1円単位で使え、ポイントのみ、または現金との併用ができます(2026年7月時点)。利用にはau IDの登録が必要です。投資信託の月間平均保有残高に応じた資産形成プログラムもありますが、付与率は銘柄と保有残高で異なります。広告に出る最大値ではなく、自分が選ぶ投資信託の区分を確認する必要があります。
三菱UFJ eスマート証券が向く可能性がある人
普段からPontaポイントを使い、現金だけでなくポイントも投資信託や1株投資へ回したい人には、選ぶ理由がはっきりしています。auの通信契約がなくてもポイント関連サービスは利用できますが、au IDとの連携は必要です。
国内株についても、SOR注文の条件を理解し、自分の取引する市場が対象なら費用を抑えられます。プチ株を使う人は、売買手数料だけでなくスプレッドも0円と明記されている点を比較材料にできます(2026年7月時点)。
三菱UFJ eスマート証券が向かない可能性がある人
SORを使わずに注文したい人、地方市場の銘柄を多く取引する人は、「国内株0円」という見出しだけで決めないほうがよいでしょう。注文方法と市場によって無料の範囲から外れます。
Pontaポイントを使わない人にとっては、連携の強みが小さくなります。ここで一つ注意したいのは順序です。ポイントは投資の利益を保証するものではありません。ポイント付与率を追うために、信託報酬が高い商品や目的に合わない商品を選ぶなら、口座選びと商品選びの順序が逆になっています。
DMM 株:1約定の料金と米国株を一緒に確認したい人
DMM 株の国内現物取引は、1回の約定ごとに料金が決まります。5万円以下は税込55円、10万円以下は税込88円、20万円以下は税込106円、50万円以下は税込198円、100万円以下は税込374円です(2026年7月時点)。1日の合計ではなく、成立した注文ごとに判定されます。
国内現物取引では、支払った手数料の1%が「株ポイント」として付与されます(2026年7月時点)。ここは冷静に読みましょう。手数料が全額戻る制度ではありません。手数料が税込198円の取引なら、戻るのはその1%です。「実質無料」と読み替えず、付与条件と交換方法を公式で確認してください。
米国株現物の取引手数料は約定代金の0.495%で、約定代金が2.22米ドル以下の場合だけ0米ドルです(2026年7月時点)。「米国株0ドルから」という表示の「から」が重要です。通常の金額帯すべてが0米ドルという意味ではありません。為替に関する費用や現地で発生する費用も、売買手数料とは分けて確認する必要があります。
DMM 株が向く可能性がある人
1注文ごとの金額が小さく、段階表を見て費用を管理したい人には理解しやすい仕組みです。注文前に「今回の約定代金なら何円か」を自分で計算できる——有料であることの裏返しとして、費用の見通しが立てやすいのがこの体系の持ち味です。国内株と米国株を同じサービスで扱いたい人も比較対象にできます。公式はスマートフォンアプリで国内株と米国株を取引できることを案内しています。
DMM 株が向かない可能性がある人
国内株の現物取引を何度も繰り返す人は、1回ごとの手数料が積み上がります。同じ日に複数回売買するなら、松井証券の日次料金やGMOクリック証券の無料条件と比べる必要があります。
投資信託の品ぞろえや投信積立を口座選びの中心にする人にも、目的が合わない可能性があります。また、「米国株が0円」とだけ覚えて申し込む人には向きません。0米ドルになるのは約定代金2.22米ドル以下で、それを超える現物取引は0.495%です(2026年7月時点)。
ここまで読んで「1約定ごとの料金体系が自分に合う」と判断した人向けに、口座開設ページへの広告リンクを置きます。判断がまだなら、先に下の比較の続きと公式の手数料ページを確認してください。
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GMOクリック証券:国内株の料金条件を単純にしたい人
GMOクリック証券は、電話注文を除き、国内株の取引手数料を約定代金に関係なく0円と案内しています(2026年7月時点)。50万円でも100万円でも、インターネットでの国内株取引手数料は同じ0円です(2026年7月時点)。年齢条件も、電子交付の設定条件も、この案内には付いていません。「無料の条件を覚えるのが面倒だ」という人にとって、これは小さくない利点です。
注意したいのは情報の鮮度です。過去の比較記事では1日定額プランなど古い体系が掲載されている場合がありますが、2026年7月に確認した公式トップでは「条件なし」と明記されています。手数料体系は改定されるものです。古い比較表ではなく、注文前の公式ページを見る習慣を付けてください。
投資信託の取引手数料も0円、投信積立は100円からと案内されています(2026年7月時点)。ただし、投資信託には商品ごとの信託報酬などがかかります。「証券会社へ払う取引手数料が0円」と「保有中の費用が何もない」は同じではありません。
GMOクリック証券が向く可能性がある人
国内株の約定金額や設定条件によって料金が変わるのを避け、インターネット注文の手数料を単純に把握したい人に合います。株式だけでなくFXやCFDも扱いますが、初心者が同時に始める必要はありません。まず使う商品の画面とリスクだけを確認するほうが管理しやすくなります。
GMOクリック証券が向かない可能性がある人
1株ずつ買う単元未満株を中心にしたい人は、通常の買付サービスの対応範囲を先に確認してください。公式の手数料一覧には単元未満株の売却や買取に別料金が掲載されています。100株単位の国内株手数料が0円でも、単元未満株まで同じ条件とは限りません(2026年7月時点)。
また、FXやCFDのサービスが目立つため、株を始めるつもりだったのに、値動きや仕組みの異なる商品へ流されやすい人にも注意が必要です。CFDは証拠金を使って元手より大きな金額を動かす取引で、現物株とは損失の広がり方が異なります。口座にその機能があることと、自分がそれを使うべきであることは、別の話です。
SBI・楽天を外すのではなく、物差しとして使う
ここまで読んで、「では定番2社はどう扱えばいいのか」と思った人へ。答えは単純で、候補から無理に外す必要はありません。SBI証券や楽天証券は商品範囲や情報量を測る基準として優秀です。その基準に対して、この4社のどれかに「自分が実際に使う機能での明確な強み」があるか——比較の問いはこれ一つです。
逆向きの確認もしておきます。Pontaポイントを使わないのに三菱UFJ eスマート証券をポイントだけで選ぶ理由は弱い。1日の取引額が50万円を大きく超えるのに、松井証券の無料枠だけを見るのは不十分。国内株を何度も取引するのにDMM 株の1回分の手数料だけを比べると、合計費用を見落とす。GMOクリック証券では、国内株0円だけを見て単元未満株や外国株も同じだと思い込まない(2026年7月時点)。この4社を推す記事だからこそ、この4社が合わない条件も同じ精度で書いておきます。
口座開設前の5項目
- 使う商品を一つ書く:国内株、米国株、投資信託、iDeCoなど、最初の目的を一つに絞ります。
- 取引単位を書く:100株単位か、1株単位かで比較するサービスが変わります。
- 1回と1日の金額を分ける:1約定料金と1日定額を同じ表面金額で比べないようにします。
- 無料の条件を書く:年齢、注文方法、市場、電話注文、NISAなど、適用条件をメモします。
- 売買以外の費用を見る:為替、スプレッド、信託報酬、信用金利など、自分が使う商品に残る費用を確認します。
証券口座は、作っただけで利益が生まれるものではありません。使わない口座が増えると、パスワード、二要素認証、税務書類、登録情報の管理が増えます。「国内株用」「Pontaポイント投資用」のように役割を一言で説明できないなら、申込を保留する判断もあります。
投資を始める前の注意
国内株や米国株、投資信託は価格が下がり、投じた金額を下回ることがあります。手数料が0円でも、価格変動による損失は0円になりません。生活費、納税資金、近く使う予定のお金を分けたうえで、商品の目論見書や契約締結前交付書面を確認してください。
無料条件やポイント制度は変更されることがあります。この記事は2026-07-17 時点の公式情報に基づきます。口座開設時と注文直前に、同じ条件が続いているかを各社公式サイトで確認してください。
この記事は情報提供を目的とした比較上の見解であり、投資助言ではありません。特定の銘柄・商品を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。投資は元本を割り込む可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
公式情報
- 松井証券「手数料」
- 三菱UFJ eスマート証券「手数料」
- 三菱UFJ eスマート証券「ポイント投資」
- 三菱UFJ eスマート証券「資産形成プログラム」
- DMM 株「株式取引の手数料」
- DMM 株「米国株式現物取引」
- GMOクリック証券「公式サイト」
- GMOクリック証券「手数料」
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